星野源"嫌い"発言で阿鼻叫喚! こじらせ女子はどう出る?
<あらまし>
こんにちは、小野ほりでいです。
約二週間前、俳優・音楽家の星野源が女性誌のインタビューに答え、いわゆる「こじらせ女子」に対して"嫌い"などと言及した様子がネットニュースに掲載され、TwitterやSNS上はこじらせ女子の悲鳴と断末魔で埋め尽くされました。
とはいえ、相手は一癖も二癖もあるこじらせ女子たち、黙って攻撃を見過ごすとは思えませんが…?
<登場人物>
エリコちゃん
物心つく前からこじらせている、自称こじらせ女子の走り。
ミカ先輩
こじらせとは無縁の鉄壁のメンタルを誇る、エリコのお目付け役。
登りそうな外国人
あまりにも落ちないので、むしろ登るのではないかと言われている。
こじらせって何なの?
プンスカプンスカ!
どうしたのエリコちゃん、チェリーココみたいな怒り方して。
どうしたもこうしたもないですよ! 星野源がこじらせ女子に"嫌い"って言っちゃったの、先輩も知ってるでしょ!?
星野源?
星野源のファンなんて8割こじらせてるに決まってるのに、わざわざあんなこと言うなんてもはや嫌がらせとしか思えないわ!
そのことは知らなかったけど、"こじらせ女子"の定義が曖昧だからよくわからないわ。こじらせている女子そのものを指すのか、こじらせていることを売りにする女子を指すのか…。
そういえば…もしかしたら、こじらせてることをアピールする人が嫌いってだけなのかもしれないですね。
どっちにしろ、エリコちゃんは嫌われてるわね。
私は売りにしてないです!
弱さも個性?
こじらせもそうだけど、最近は人見知りだとか、モテないとか、ネガティブだとか、自分の短所を売りにする人が増えてきているわね。
いいんじゃないですか? 誰にでも短所はあるし、それが受け入れられてもらえるなら。
何言ってんの、甘ったれてんじゃないわよ。自分の弱さと戦うのは自分なのよ。それをさらけ出して認めてもらおうなんて、見ず知らずの他人じゃなくてお母さんに求めることなのよ。
お母さんの愛は深いからね。
自分の弱さを受け入れられていたら、負けるのを恐れて逃げ続けるなんてことにならないわ。まだ自分に負けたくないという自惚れが残っているから戦いもせずに誰かに許されようとするのよ。
少しぐらい自惚れていないと、人間生きていけないですよ。
自意識の壁
なんで人が己の弱さに耽溺するか、わかりやすく図にしてあげるわ。
(サッサッ…)
死ぬの!?
間違えたわ。死なないわ。
でも、失敗するのが恐いから挑戦するのをやめて、挑戦しないのに理由をつけるために自分の弱さを持ち出しているというのは、本当にそうかもしれないわ。
そうやって逃げ続けた結果、根拠のない無力感を培っていくのよ。実際、みんな最初は弱いし、自信がないものよ。でも戦うの。弱くても戦うという生物として当たり前の行動を妨げるのが、自意識なのよ。
つまり、こじらせ女子は自意識の壁の手前にいる人たちのことなのね。
でも、戦いから逃げ続けた人間の無敗記録なんて誰も褒めてはくれないわよ。100回戦って100回負けた人のほうがずっとかっこいいと思うわ。
セルフ・ハンディキャッピングとは?
エリコちゃんみたいに、対処するつもりもない境遇を嘆いたり、自分の弱さに開き直って勝負から逃げ続けることをセルフ・ハンディキャッピングというのよ。
ひどい言い様だけど、まさに私のことだわ…。
セルフ・ハンディキャッピングは、自分が何もしないことへの免罪符を与える代わりに、嘆くべき立場にいる人間をその場に留まらせ続けるの。
かまぼこなんて跨げば山に登れるし、今も昔も才能なんてほとんど自分が何もしないことに理由をつけたい人が使う言葉よ。
かまぼこ食いてぇ~。
「やればできる」なんてのは無責任だけど、「やってできなかったら何なの?」というふうに考えられたら心が折れにくくなるわよ。
何もしないでいて「できるかもしれない自分」を命綱にしたって、そんなものはピンチが来ても救ってくれはしないわ。
かまぼこ。
意思や行動に基づく要因が「どうにかなること」とすれば、セルフ・ハンディキャッピングをする人は環境や資質のように「どうにもならないこと」に原因を求め、どうにかなることすら放棄してしまうの。
頭ではわかってるんだけど…。
たとえば、自分がモテないのを顔のせいにしてる人がよく「結局顔じゃないか」って言うけれど、ほかに理由があるかもしれないのに顔のせいにしてしまうのは、逆にいえば顔という価値基準を神格化しているからね。
でも、結局は顔じゃないですか?
なんで星野源は「こじらせ」が嫌いなのか?
でも、味方だと思ってた星野源にあそこまでコテンパンに言われたのはショック…。
もしかして、星野源も昔は"こじらせ"だったのかもしれないわね。
そういえば、「昔は童貞をこじらせていた」って言っていたわ。でも、自分もそうだったらなら優しくしてくれればいいのに。
自分が向き合って克服したものの前でいつまでもウジウジしている人がいたら、背中を押したくなるものなのよ。愛情だと思って受け取りなさい。
もしかして、先輩も昔は…?
エリコちゃんは、昔の私にそっくりだから殴り倒したくなるわ。でもギリギリのとこで感情を抑えてチョップしてるの。チョップでまけてあげてるの。
先輩のチョップは、愛のチョップなんですね…。
いいえ、暴力よ。
こじらせ女子に明日はあるのか?
ないわよ。
ヒッ…。
なんでも自分の個性にしようなんてのは、おこがましいわよ。人に好かれたければ、長所を磨いて売りにすればいいの。わざわざ短所をひけらかしてそれを他人に受け入れさせようなんて、親が子に与える無償の愛を万人に求めているようなものだわ。恥を知れ。
先輩、体裁が崩れるから一度に4行以上は喋らないで…。
負けてもいいから戦いなさいよ、あんた。余裕こいてんじゃないわよ。カマキリに生まれたら、必死にカマを振って蝶を捕まえて生きないといけないのよ。戦えよ。たとえ惨敗したって、本気で戦った人間からは世迷いごとなんて出ないものなのよ。
カマキリのとこはよくわからないけど、熱い話だ!
分かったらこの拳、受けてみよ!
ピキン!
見切ったぁぁァァ!!
何ッ!!
からの~…。
ギャン!
エリコ…あんたの覚悟は受け取ったわ…。
あんたなら…(ゴフッ)あんたならきっとなれる…。
(おわり)