先日、大きな反響を呼んだロシア童話「おおきなかぶ」を巡るとある新事実。

 上記ツイートの投稿者によれば、おじいさんの足の位置に問題があり、カブが抜けないという。

 しかし、同記事掲載後、以下のような声が複数件寄せられた。

 「カブは抜けるのか否か?」

 この問題を解くため、編集部は早稲田大学理工学術院で物理学を研究している大学院生2人に協力を依頼。物理的観点から仮説を立ててもらった。

 

〜おおきなかぶは物理的にどうなるか?〜

 今回は、カブを抜くためにはカブが回転することが必要と仮定。回転させるための力は、おじいさんたちと地面との摩擦力であると考えていきます。

 まず、「力のモーメントの釣り合い」を考えると、カブが抜ける状態は以下の式で表せます。

 

kabusiki

 

 次に、カブの基本的な情報として以下を設定します。

 

カブの実の重さ = 813kg

 水分90パーセントと仮定した場合… (4/3*π*60^3)/1000*0.9で813kg

カブの実の半径 = 0.6m

実の中心と接地面の角度 = π/3

 

 次に、登場人物たちの体重[kg]を以下のように設定します。

 

おばあさん = 50

孫 = 30

犬 = 10

ねこ = 6

ねずみ = 1

 

 そして、カブと人間たちの力関係を下の図のように仮定します。

 

kabuzu

shiki_tyoryoku

 

 式にある通り、張力(カブを引く力)は、体重 = mと重力加速度 = g、そして静止摩擦係数 = μによって決まります。

 

 では、おじいさんの体重を、xとして解いていきましょう。

 解き方は、上記4つの式を組み合わせるだけです。「おじいさんの足がカブに乗っているとき」は、カブにおじいさんの体重がかかっており、これを残りのメンバーで引っ張ることになります。

 この場合、カブが抜ける条件は以下のようになります。

shiki_ashi_ari_v2

 

 そして、「おじいさんの足がカブに乗っていないとき」は、みんなの張力 = Tに、おじいさんも加わることができます。

 

shiki_ashi_nashi

 これを簡単にグラフで表してみましょう。

 

グラフ3

 グラフ縦軸の「カブが抜ける条件」が0を超えるとカブが抜けます。

 「おじいさんの足がカブについているとき」は、おじいさんの体重がカブの自重に加わるので、おじいさんの体重が重くなればなるほど、ずぶずぶ地中へ沈んでいくことになります。

 

【結論】

おじいさんの足が乗っているとカブは抜けない

 

 そして、「おじいさんの足がカブに乗っていないとき」は、おじいさんの体重が 9149.658キログラム以上であれば、カブが抜けます。

 

【結論 その2】

足が乗っていなければ、おじいさんの体重が9149.658キログラム以上ならカブは抜ける

 

 物理学による仮説では、おじいさんはアフリカゾウ並みの巨漢だったということが判明した。

 

おまけ 馬に引っ張ってもらったら?

 この結果を利用して、おじいさんを馬に置き換えることも可能です。

 馬を1頭 = 500キログラムと仮定して計算すると、おじいさんの代わりに馬をつれてきた場合、最低19頭必要であるとわかります。

 

【結論 その3】

おじいさんは戸愚呂弟ばりの怪力マッチョ

 

 表紙には、想定約800キロのカブを持ち上げるおじいさんの姿が…。怪力を裏付ける証拠である。

 

 今回の分析は、あくまで仮説の1つとのこと。

 物理を研究されているみなさんも、ぜひ「おおきなかぶ問題」にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

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