大学生の飲み会に参加してコールをかけられたい

なーに持ってんの! どーして持ってんの?
0

 

「コールかけられてさーwウォッカをビンでラッパしたら死んだわwww」「先輩にスピリタスすすめられて飲んだらすげえのww飲んだことある?」

こうしたチャラ飲み会にまつわる自慢を聞くたびに鳥肌が止まらなくなる学生時代を過ごしました。こんにちは、udemerryです。

 

001

しかし、私も大人になったのでしょうか。社会人になってから突然、大学生のチャラい飲み会を目撃すれば、純粋に楽しそうに見えるようになってきました。あれ偏見なしで参加したら、実は楽しいのではないか…?

というわけで体験すべく、今日は渋谷で催される大学生の飲み会に参加させてもらえることになりました! やったー!!

 

大学生と渋谷で待ち合わせ

 

002

ハチ公前で迎えにきてくれる大学生と待ち合わせ。

初対面なので緊張する。社会人1人でまじって大丈夫だろうか…。

男性の声「あの…こんにちは」

 

003

「橋本登希男(はしもとときお)です。今日はよろしくお願いします」

私「よ、よろしくお願いします!!!!」

突然のThe 大学生の登場に戸惑いを隠せぬまま、飲み会スタートまで時間を潰すことに。

 

004

トキオくんによると、今日の飲み会は、

・トキオくんが1年生の時に立ち上げたインカレイベントサークル「QUORE

」の定期飲み会

・20人程度参加

コールがガンガンかかる

とのこと。マズい、参加してみたかったはずなのに鳥肌が立ちかけている

 

ツイッターで叩かれても平気

 

005

トキオくんは慶應大学環境情報学部(SFC)の3年生。学生生活のかたわら、「カヤック」や「食べログ」などでインターンをこなし、最近ではミスター慶應SFCコンテスト2015で準グランプリを取ったお方です。読者のみなさん、むき出しの敵意を向けるのはやめてください!

待ち時間の間、トキオくんに学生生活のことを聞いてみました。

─イベントサークルってそもそも何するんですか?

「僕はもう引退してるんですけど、QUOREはクラブイベントを企画・運営する団体です。1年の時、普通のサークルに入っても高校生活の延長だなーと思って。音楽も好きだったんで、じゃあ自分でイベント作ってみようってことで立ち上げました」

─クラブイベントってDJがいて「ウェーイ」のやつですよね? 何人ぐらいのイベントを…?

「500〜1000人集客ぐらいですね」

─せ、1000人!? あ、めっちゃ儲かってたでしょ!?

「いや(笑)。実際お金も儲かればいいなーで始めたんですけど、イベント運営って大変で、ほとんどがプラマイゼロでした。赤字になることも…。クラブの予約から、出演者のブッキング、集客まで全部やってました」

─あ、そうか。「1000人規模のイベント仕切る」って字面でみたら華やかでうるさいけど、すごい大変そうな気がしてきました。

「めっちゃキツイですよ! 限界を感じて引退しました(笑)。いろんな失敗もしたし。やってる時はすごい傲慢でしたし、成り上りたいとか思ってたし。 途中でふと、いろいろ背伸びしてるなーと気がついて、企業でインターン活動などを始めました」

─凄まじい向上心! ツイッターで叩かれそうです!

「大学最初のころ、アニメのアイコンにしている方々から何度かツイッターで叩かれたことがありました(笑)。でもそういう人とも、面と向かって話せば仲良くなれる気がしてて、だから言われてもイライラしないしなんなら『会って話させてくれ!』と思うようになりました」

─めっちゃいい人じゃないですか。

「最近丸くなりました」

年下から感銘を受けたところで、飲み会の時間です。

 

突如始まる「コール」の洗礼

 

006

トキオ「あ、この店です。入りましょう」

この中の個室に大学生がうじゃうじゃいるそうです。やばい本当に胃がキリキリしてきた…。

私「すみません、よろしくお願いします」

 

007

想像を絶するガヤガヤ。

私「わ、いっぱいいるな。すみません、お邪魔しますね…」

 

008

「QUORE代表のまさるです! よろしくお願いします!」

 

009

「QUORE次期代表のおっきーです! よろしくお願いします!」

 

010

 

011

私「きょ、巨人軍?」

なんとなく伝わったかと思いますが、いま、わたしは死ぬほど心がザワザワしています。なんだろう、まだ私(25)ですら払拭できていない若さという概念の闇(なにか)がここにはあるぞ…。

 

012

トキオ「ちょっと何してるんですか!」

 

013

トキオ「いきますよ!」

 

014

「はーい! はーい! 飲め飲めーー! 揉め揉めー!」

 

015

「溢れ出す! この気持ち! 我慢汁!」

 

016

「お前wwwwwwwww」

 

017

私「あっごめんね。なんか始まっちゃってるけど、私ちょっとまだほかの人に話を聞きt「おっきが飲むーぞ! おっきが飲むーぞ! おっきが飲むーぞー!」

 

018

「5秒で飲むぞ! 5・4・3333! 参覲交代! 江戸江戸〜♪ 江戸江戸〜♪ 江戸江戸〜♪ てやんでい!」

 

019

まだお酒が入っていない後輩たち。

私「お、思ったよりはるかに激しいわ…。いつもこうなんですか?」

後輩「え? 今日はおとなしい方ですよ

私「嘘でしょ…?

 

020

「早く飲めー! 手が痛いー! コールを振るのは面倒臭い♪」

 

021

「なーに持ってんの! どーして持ってんの? 飲み足りないから持ってんの!」

 

022

「ドドスコスコスコドドスコスコスコドドスコスコスコ! おいし〜Y(ワイ)!」

私「あっ! 机のビールが倒れた! やばい拭かなき」

 

023

「あっごめんなさい。拭きます、拭きます」

 

私「粗相への対応が早すぎる

まさる「こういうのはちゃんとやります」

私「理性は保ってるんだね。良かった」

 

024

「聞いてくださーい! みなさん知ってると思いますが、先日、我らがTOKIOさんがミスター慶應SFCで準グランプリを受賞しましたー!!」

 

025

「おめでとうーーー!!」 

私「あっケーキ! ケーキは大学生に渡しちゃいけな…」

 

026

私「ほら〜〜〜〜〜〜!!」

 

027

「ミスター取るのは誰だ!?」\TOKIO!/

「高校時代は童貞!!」\TOKIO!/

 

028

傍観して楽しむタイプのOG(奥)と後輩(前)。

私「高校時代、トキオくんは童貞だったんですか?」

OG「そうみたいです」

私「なんだろうこの会話

 

029

後輩たち(イケメン揃い)もお酒が入ってコールにどんどん参加。

想像をはるかに超えるコールの応酬に戸惑いを隠せません。しかし良く観察すると、コールをかける人とかけられる人は大体決まっています。

そういうノリにまじりきれない子に無理強いをすることはなく、むしろ「見て笑ってほしい」というようなエンタメ的精神があるんだということが分かりました。確かに江戸コールは爆笑した。

 

せっかくなのでコールをかけられたい

ここまで来たので、せっかくならコールをかけてもらいたい! ということでお願いしてみることに。

私「すみません、あの恐縮ながらコールをかけていただきたいんですけど」

まさる「えっマジっすか!?!?!? おーい! みんなー! いくぞー!」

 

030

「たーたらーったった遊びじゃねぇんだよ! たーたらーったった子どもじゃねんだよ!」

 

031

「たーったらーたった♪ そんなの水だよ♪ たらららら〜♪」

私「うおーーー!!!!」

みんな「うおーーーー!!!!」

すごい一体感が出ました!! 偏見なく楽しむとこんなに興奮するわけですね!! これが真の学生コミュニケーション!! もう十分!! 1回で十分です!!

 

032

全部がコールというわけでもなく、サークルを盛り上げようと誓い合う時間もあったりする。

 

4年間しかない学生生活の過ごし方

盛り上がりのピークも過ぎたところで、代表のまさるくんにいろいろ聞いてみました。

 

033

─こういう飲み会をするサークル、特に「イベントサークル」ってすごい嫌う人は嫌うと思うんですけど、そういう声も耳に入ってきますか?

「あります、あります! 確かに表面だけ見るとうるさいですよね。でも今日も次のイベント運営について話し合いをした後で、まじめにやる時と遊ぶ時はしっかり分けている感じです」

 

034

QUOREが運営するイベントのようす。

─私は大学時代、まさるくんのような人を見て「調子のってるわー」と思ってました!

「確かに調子には乗ってるのかもしれない!(笑) でも、これは僕の話なんですけど、実は中学時代、重い病気にかかっちゃって3年間まったく学校に行けなかったんですよ。その時死にかけたこともあって、治った時に『人間いつ死ぬか分からないから楽しいこと、好きなことをしよう』と思ったんです」

─わっ、じゃあ周りの批判なんてまったく気にならないのか。

「そうです! 本当にいつ死ぬかわからないから、こうやって友だちと盛り上がれる場にいることもうれしいし、音楽(EDM)が大好きなので関われていることもうれしいです。もちろん全員がこんなちょっと重たい気持ちでやってるわけじゃないですけど。ほら、あれとか」

 

035

「ウェイ! チ●ポ! ソイヤウェイ! チ●ポ! ソイヤ

私「あれはなんですか?」

まさる「あれは『ウェイチンポソイヤゲーム』というゲームです」

私「せっかくインタビュー風いい話だったのに」

まさる「やっぱり調子にのってるだけかもしれません」

私「この元気で発電とかできたらいいのにね」

まさる「あり余ってますからね」

なんか最後にいい話になってしまいましたが、無事、大学生の飲み会を満喫することができました! でもやっぱりこういう飲み会は合わないので、断っていきたいと思います。

 

036

とはいえ、「コールかけたりする奴はこの世のクズ」だと思っていた学生時代の気持ちとは違って「本人が楽しいなら別にいいかー」という気持ちで家路につきました。 

などと、散々人生を悟ったような偉そうなことを言いましたが…、

 

037

お金をおろすのを忘れて、飲み代は大学生におごってもらいました。 

QUOREのみなさん、本当にすみませんでした。