「庵野、オレの負けだ~!」 『シン・ゴジラ』の発声可能上映が実現した素敵すぎる経緯とは?
約12年ぶりのゴジラシリーズとして話題を呼んでいる映画『シン・ゴジラ』。公開から10日が経った現在、ある特別な形式での上映が決定し、さらなる盛り上がりを見せている。
8/15(月)19:00の回@新宿バルト9
「シン・ゴジラ」発声可能上映、実施決定!
https://t.co/2bACksP4yk
声出しOK!コスプレOK!サイリウム持ちこみOK!
ご来場お待ちしております!
#ゴジラ #シンゴジラ
— ゴジラ (@godzilla_jp) 2016年8月8日
その形式は、題して「発声可能上映」。静かに鑑賞するという映画館の常識から外れ、声を出すのもサイリウムを持ち込むのもOKというユニークなもの。
島本和彦さんの願いを叶えるために、庵野秀明が東宝にお願いし、実現したそうです! https://t.co/T2Ftqfqdef
— 株式会社カラー (@khara_inc) 2016年8月8日
庵野監督が代表を務めるアニメ制作会社「株式会社カラー」公式アカウントによれば、実は、この上映は『シン・ゴジラ』総監督の庵野秀明さんが「島本和彦さんの願いを叶えるために、東宝にお願いして実現したもの」だという。
島本和彦先生(@simakazu)といえば、マンガ家デビューを志す芸大生・焔燃(ホノオ モユル)の姿を描いたマンガ『アオイホノオ』の作者。自伝的作品ともいえるこの作品で、ホノオが一方的にライバル視している学友として、庵野さんが実名で登場しているのだ。作中では、彼の才能にホノオが絶望して崩れ落ちるシーンが幾度となく描かれている。
庵野……オレの負けだ……
#シンゴジラ
— 漫画家島本和彦 (@simakazu) 2016年7月29日
周りの「特撮に対して一言二言持っている」人間を集めて映画館に行き、シン・ゴジラ観ながら「ああ〜‼︎やめろ庵野‼︎俺の上を行くな〜‼︎‼︎」と崩れ落ちるまさにあの心境を味あわせてやりたい‼︎いや、味わってもらいたい‼︎ #シンゴジラ
— 漫画家島本和彦 (@simakazu) 2016年7月30日
いや違った、そういう絶望のホノオくんごっこをしに劇場に行ってほしい‼︎ アナ雪の「歌っていい上映」みたいに、「ウンチク言っていい、語っていい、崩れ落ちていい上映時間」を設けてくれるなら最前列で俺が見本を見せてやりたい
#シンゴジラ
— 漫画家島本和彦 (@simakazu) 2016年7月30日
『シン・ゴジラ』の鑑賞後、島本先生は「庵野……オレの負けだ……」と敗北宣言を投稿。さらに、作品の感想についてTwitter上で熱く語っていた。そのなかで「『ウンチク言っていい、語っていい、崩れ落ちていい上映時間』を設けてくれるなら最前列で俺が見本を見せてやりたい」(以上、原文ママ)とも投稿。
どうやら、この島本先生の想いが庵野監督本人に届き、今回の上映に至ったようだ。
ヒエェェェェェーー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎あ、庵野ォォォォォォォ‼︎‼︎‼︎ https://t.co/9QfpFF2U46
— 漫画家島本和彦 (@simakazu) 2016年8月8日
@simakazu 島本先生、思う存分叫んでください!お待ちしております! https://t.co/Cy5VMTLbMm
— ゴジラ (@godzilla_jp) 2016年8月8日
これには島本先生もびっくり! 東宝「ゴジラ」シリーズの公式アカウントからも、熱烈な歓迎を受けている。
シン・ゴジラの発声可能上映、『応援上映』じゃないのは島本先生のためという気持ちを感じる…(これは応援ではない!)
— のろく (@No6) 2016年8月9日
また、劇場で声を出しながら鑑賞するスタイルは、キンプリこと『KING OF PRISM』などの「応援上映」が記憶に新しい。一部のユーザーからは、今回「応援上映」という表現を避けたのは、島本先生のためではないかという声も。
あっどうやら発声可能上映会には私の席が無事準備されたもようです‼︎‼︎ ……ありがとう…ございます…当日は無事ではないと思いますが…(笑)‼︎‼︎全く私のこと知らない観客達にどういう目で見られるのでしょうか私は‼︎⁇なんか面倒なうるさい客ですか‼︎⁇
— 漫画家島本和彦 (@simakazu) 2016年8月9日
なお、この上映回のチケットは圧倒的な人気で完売したが、もちろん島本先生の席は準備されている模様。当日、はたして島本先生はどんな“見本”を見せてくれるのだろうか?