カウンセリングは効果アリ!? 臨床心理士に恋愛の悩みを相談してみた話

海外ドラマでよく見るアレです。
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こんにちは、ハイエナズクラブの柴田プロです。

仕事や恋愛、家族のこと…大小を問わず、誰しもいろんな問題に取り巻かれながら、悩んだりやり過ごしたりして日々生活しているはず。 かくいう私もその1人。つい最近まで真剣に悩んでいました。

 

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その悩みとは、34歳になる現在まで、2年間お付き合いしてきた同い年の交際相手との将来。

何度も話し合いの場を設けるも、返ってくるのは「仕事が落ち着いたら考える」の決まり文句…。結婚はおろか、同棲にすら進めない。 このもどかしさ、アラサー未婚女性ならわかってくれるのではないでしょうか…?

ひとりで悶々と悩む時間がだんだんと長くなり、このままではヤバイ!と思い立ち、臨床心理士のカウンセリングを受診してきました。

 

そもそもカウンセリングってどんな感じ?

私自身、これまでにカウンセリングの受診経験はなく、パッと思い浮かべたものは昔観た海外ドラマの1シーンでした。

 

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女性弁護士の主人公が、カウンセリングルームのソファに堂々と脚を投げ出し、なんならちょっとケンカ腰に悩み相談をしているシーン。

ドラマのように、ざっくばらんに受診できたら、1人で悶々と悩む時間も減るかもしれない…!

 

でも、さすがにこれって、ドラマの中だけだよね?

それとも、カウンセリング大国アメリカ(もしくはその他の国)ではこんなカジュアルに相談するのが一般的なの?

カウンセリング室って寝そべられるほどのソファってあるのかな?

そもそも、カウンセリングで悩みが解決するもの?

 

交際相手のことで悩んでいた時間の一部が、いつの間にかカウンセリングそのものへの疑問と興味と好奇心で占めるようになってきていました。

…受診、してみようかな。

 

いざ、カウンセリングへ…!

さっそくネットでカウンセリングルームの調査を開始。希望条件は、以下の3点でした。

 

●職場と自宅の中間地点にあること
●平日、仕事帰り行ける時間帯で受診できること
●受診費用が高すぎないこと

 

ざっと15カ所程度のクリニックやカウンセリングルームを検索・比較した限りでは、受診費用は1回50分程度で1万円弱が相場といったところ。どこも大きな価格差は見られなかったので、費用の高い・安いだけでは、悩み相談のクオリティについて判断できるものではないようだと感じました。

条件を満たす候補の中から1つに絞り、少し緊張しながら予約の電話をかけてみました。電話口で相談したいことを簡単に説明するよう求められたので、よそいきの声で悩みの内容と受診希望日を伝え、1週間後に初回受診日が決まりました。

単純なことに、この時点で「専門家に相談しに行くんだ…!」という実感が生まれ、予約を入れただけで少しすっきりしている自分がいることに気付きました。

 

しかし、受診当日は朝から結構緊張…。自分が抱える悩みや問題点をちゃんと伝えられるだろうか? 「そんな悩みで来ないでください!」って怒られたらどうしよう…キャンセルしようかな…。

などと、いらぬ思案をしているうちに、定刻となり、覚悟を決めて訪問。

 

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今回私が利用したカウンセリングルームは、マンションの1室でした。小さなプレートがドアに出てはいましたが、これがなければ普通の住宅と変わらない佇まい。

恐る恐るインターホンを押すと、小ぎれいな女性が出迎えてくれました。

 
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この女性がカウンセリング担当をしてくださるとのこと。 

白衣は着用しておらず、細身でおしゃれ。「あぁ、こういうきれいな女性は悩みとかないンだろうなァ…?」などと思いっきり性格の悪い妄想を秘めながら、個室へと案内されました。

 

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室内には間接照明がともり、テーブルとソファが2脚ありました。

「あっ、ドラマと同じで、ソファがあるんだ。脚を投げ出せるくらいの大きさは、あるな…」などと、悟られない程度に部屋の観察を試みているうちに、小さいほうのソファにカウンセラーさんが腰かけ、広いほうに私が座るように促されました。

クリームイエローの家具と照明、やさしい雰囲気に包まれ、さっきまでのひがみ根性は和らぎ、ましてや「隙あらば脚を投げ出してやろう」などという思惑が自然と消えるほど、ニュートラルな精神状態に近づいていきます。

しかし、いったいいつ、どんなきっかけでカウンセリングが始まるんだろう?と、ドキドキ・ソワソワ感は続いていました。

 

脚を投げ出すどころか、就職活動の面接並みにきっちりと足をそろえて姿勢を正して待機していると、カウンセラーさんがA4サイズ両面仕様の問診票を手渡してくれました。

記載内容は、カウンセリング受診歴・相談したい悩み・問題の内容に加え、デフォルトで家族構成とそれぞれの年齢、性格を簡潔に書く欄が設けられていました。

父:戦後間もないドサクサ期に産まれ、ろくに躾(しつけ)を受けずに育ったサイコパス

母:昭和の女性ならではの、敷かれたレールの上だけで生きてきた退屈オバサン

などとふざけて書きたくなる気持ちを抑え、あくまで真面目に冷静に、良いところも悪いところも含めた家族情報を5分ほどで記入し、カウンセラーさんへ用紙をお返ししました。

 

いよいよカウンセリング開始

問診票を1分程度確認された後、カウンセラーさんからの質問で会話が始まりました。

 

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「これまでどういう人生だったか、簡単にお話ししていただけますか」

 

私は少し戸惑いました。初めて会う人に対して改めて自分の人生について、前準備もなしに説明するのは、なかなか難しい。

私は息をスゥ、と吸ってから、どこで生まれて育ったか、幼少期~学生時代~社会人~今にいたるまで、たどたどしく、3分くらいかけて時系列順に説明をしました。

興味深かったのは、話しているうちに「あぁ、そういえばこんなこともあったなぁ」「私って、こんなだっけ?」と何度か自分自身について再認できる場面があり、「これってカウンセリング効果の一種なのか?」と思う場面があったことです。

私が話している間、カウンセラーさんはやさしい眼差しで、時折ゆっくりとうなずいてくれていました。

 

戸惑いまじりの自己紹介を終えると、特に質問などはされず、少し間をおいてから、

 

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「今回が臨床心理士とのカウンセリングが初めてということですが、なぜ今日、ここに来られたのか、どういった問題を抱えているのか、お話ししていただけますか?」

 

ウワー…とうとう本題きた…。2年付き合っても結婚に進めないクソ彼氏に悩まされていること、ちゃんと話せるかな…。

と、ギクッ、ヒヤッとしながらも、なるべく落ち着いて、感情的にならないようにと努めながら伝え始めました。

 

が、話し始めて1分もたたないうちから、

 

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えっ…涙が止まらない…なんでだ。

 

幸い嗚咽(おえつ)はなく、思考が混乱したわけでもなかったけれど、ただただ静かに泣きながら、懸命に伝えるべきことを一つひとつ、きちんと伝えようとがんばったのを覚えています。

 

私の説明のひと区切りごとに、

 

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「それは、どうしてそう思うのですか?」

 

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「そのとき、どんな気持ちに?」

 

と、やさしい声で聞いてくれるカウンセラーさん。

それらの質問に、なるべく落ち着いて、わかりやすく説明しようとする、割と冷静な自分がいました。

結局、私はずっと涙を流しながら、やりとりを約45分間繰り返し、カウンセラーさんがまとめの一言をくださいました。

 

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「…柴田さんは、今まで独りでがんばってきて、そして、やっと見つけた男性とうまくいかずに、とても傷ついたんだと思います。関係が壊れるのを恐れず、再度話合いをしてみてもいいですが、男性は得てして、どうしても女性の心理を理解できないことが多いので…もう少し甘えられる関係のほうが安心できますよね」

 

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そうか…私は、傷ついているんだ…。

 

と実感するとともに、まだ目に涙は残るものの、私は力強く「そうです、その通りです」と答えた。というか、口をついて出た感じだったのを覚えています。

「自分が傷ついていたと自覚することで、結構すっきりしました。交際相手とは、もう一度話をしてみようかと…」と、私自身もまとめの言葉を伝えて、所定の50分が経過し、カウンセリング終了。

 

7,500円の支払いと、涙と鼻水の拭き取りを済ませると、カウンセラーさんから「2回目も来られますか?」と聞かれたが、「今とってもすっきりしているので、またひどく悩むようだったら、早めに来ます」と伝えて帰路につきました。

ちなみに、「2回以上通って相談しないと解決しませんよ~?」といった勧誘は一切ありませんでした。

それ以降、今日現在まで約2か月間、まだ次回の予約を取るに至っていません。

 

カウンセリングの効果

カウンセリングを受けた2日後、交際相手と離別しました。

自分自身でも早急な決断かつ荒療治だと感じたけれど、そもそもカウンセリングの扉を叩くほど悩みの種になる相手との交際は、時間の無駄だと判断したからです。結婚できない悩みは、これにて完全に解決しました

 

しかし、他の悩みや問題までもがすっきり消え去ったわけではありません(むしろ34歳の今から新しい相手を探すストレスはデカい)。

それでも、自分の中に少し変化が生じた実感があります。

受診以来、問題や悩みが生じたときは、カウンセラーさんが合間に質問をしてくれたことを思い出し、自分がどう思ったのか、どう感じたのか、なぜそう思うのか、感じるのか、を自問自答できるようになったのです。

 

私が抱える悩みの大小や程度はともかく、1回の受診で、自分を客観視する習慣が身についたことは幸いだったように思います。カウンセラーさんとの相性が良かった可能性も十分にあるでしょう。

ともかく、海外ドラマがきっかけで受診した私のカウンセリングは成功だったと言えるし、そんなきかっけで受診した自分の判断も、正しかったと言えるでしょう。

それでも、カウンセリングの受診によって悩みや問題の解決が保証されているわけでは決してないし、受診自体がオールマイティなものではないとは思いますが、

 

悩みの解決の糸口が見つからなくて困っている方、少し思い切って専門家に相談してみるの、アリだと思いますよ。

 

私自身も、今後また自問自答しきれなくなったり悩みがこんがらがったら…

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またカウンセラーさんに話を聞いてもらいに行こうかな…。

 

後日談

新しい出会いを求めるべく、さっそく婚活を始めた私。

これまで出会った男性はというと…

 

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男性A:自身の地元と豪語する池袋でデートをするも、勝手に道に迷って1人で落ち込んで自然消滅

男性B:一緒にお出かけした神社の有料エリアの入場料150円に対して、200円を払った私に50円のおつりをくれない自称弁護士

 

悩み多き人生は続く…!?