工作ライターのマンスーンです。
突然ですが、みなさんはパリピ（パーティーピープル）ですか？
僕は見ての通りパリピとは対極の存在ですが、子どもの頃は友だちとホームパーティーでワイワイやっていた記憶があります。
ホームパーティーといえば、ゲームを連想する人も多いかと思います。そんなパーティーゲームで有名なものといえば…
「黒ひげ危機一発」ですね。
40年以上も前から販売されているロングセラー商品です。遊んだことのない人でも、見たことくらいはあるのではないでしょうか？
遊び方はとっても簡単。24個の穴が開いた樽に、短剣を1本ずつ順番に刺していきます。そして“当たり”の穴に刺すと…
海賊が飛び出る！！！
「当たりの穴に刺したら負け」という単純明快なルールで、老若男女が楽しめる。まさにパーティーゲーム界の王様と言っても過言ではないでしょう。
そんな黒ひげ危機一発ですが、1つだけ不満があるんです。
それは、
すぐに勝負が決まってしまうこと！
穴の数が24個だと、数分でゲームが終わってしまうんですよね。楽しいゲームは、できれば一生続けていたいじゃないですか。
そこで、「黒ひげ危機一発」をもっとじっくりプレイできるように…
“2400個の穴が開いた黒ひげ危機一発”を作ろうと思います！！
穴の数は、本家の100倍だ〜〜〜！！！
巨大な「黒ひげ危機一発」を作ろう
穴を2400個開けるためには大きな樽が必要なので、編集部に「しょうゆ工場にあるバカデカい樽を買ってきてください」と頼んだのですが、即却下されてしまいました。
というわけで、
寿司桶を…
24個、用意しました。
これらを積み重ねて、巨大な樽を作っていきましょう。
まずは電動ノコギリを使って、寿司桶の底を抜いていきます。
抜けました。
あやうく僕の魂も抜けそうになりました。底を抜く作業だけで2時間以上もかかったからです。
次は、色塗りです。茶色のペンキで着色し、黒ひげ危機一発の樽の見た目に近づけていきます。
伝統工芸の職人みたいになりました。
着色したペンキが乾いたら、次は穴開け。今回の制作で一番つらかった作業です。
寿司桶1つにつき、100個（50個×2段）の穴を開けていきます。それを24個分。地獄です。
「たぶん俺は生前に良い行いをしてこなかったから、この地獄で永遠に穴を開け続けないといけないんだな～」と妄想しながら、5時間作業しました。
もう2度とやりたくない。本当に。切実に。
穴開けドリル乱用。ダメ。ゼッタイ。
穴を開け終わったら、木工用ボンドで寿司桶を接着していきます。
そして最後に、海賊が飛び出る仕組みを作りました。メイン部分には本家「黒ひげ危機一発」のパーツを移植しています。
樽の穴が小さいため、お弁当のサンドイッチなどに刺す「パーティーピック」を短剣の代わりに使います。
この剣を当たりの穴に刺すと、サーボモーターのスイッチがONになります。
サーボモーターが動くと、発射装置の外側に付いているストッパーが外れます。すると、内蔵されたバネが伸び、その力で海賊が飛び出ます。
スイッチの位置を変えれば、2400個どこの穴でも当たりにできる仕様にしました。
ついに完成！！
できたーーーー！！！！
できたできたできたーーーーーー！！！！！！
難易度100倍の「黒ひげ危機一発」が、ついに完成しました！！！
完成までに3日かかりました。人生において最も無駄な3日間でした。
ちなみに、高さは約2.5メートルです。
上の穴にはちゃんと海賊がいます。
そびえ立つタワーマンションと、「黒ひげ危機一発」。
巨大黒ひげ危機一発で勝負してもらおう！
この巨大な「黒ひげ危機一発」で遊んでもらうために、トゥギャッチ編集部の宇内さんと杉山さんを呼び出しました。
僕は当たりの位置を知っているので、2人に勝負してもらいます。
ちなみに徹夜で作ったので、朝の7時です。
おはようございます。巨大な「黒ひげ危機一発」を作ったので、2人で遊んでください。
突然過ぎるし、時間を考えてほしい。
「黒ひげ危機一発」って、平日の早朝にやるゲームだっけ？ っていうか、2400本も刺す剣あるの？
はい。3000本用意しました。予備の剣が600本あります。
買いすぎ。
まずは宇内さんの1本目です。
2400分の1の確率なので、まず当たることはないでしょう。気軽に刺せますね。
ブスリ
シーン
コレ、意外に緊張するね。1本目で飛び出たら、宇宙一勝負運のない男ってことになるからなぁ。
たしかに。それはショックでかそうですね。
続いて杉山さんの1本目。
ブスリ
シーン
よかった〜。
安心しないでください。まだ2398本ありますよ。
これ終わらなくない!? 本当に飛び出すの…？
希代のクソゲー。
だんだん飽きてきたのか、いろんな刺し方をし始める2人。
※刺さりません
真剣勝負でお願いします。
しまいには協力プレイをし始めました。
下から順番につぶしていこう。
はい！ 協力して早く終わらせましょう！
そういうゲームじゃないんだけどなぁ…。
ちなみに当たりは上から2段目のココなので、下から順番につぶしていくのは最悪の選択でした。
帰りたい。
そしてついに、決着のときが…
ゲーム開始から約2時間が経過。ついに、その瞬間が訪れました。
ポーーーン！！！！
ポーーーーン！！！！！
コトッ…。
やったーーー！！！ あ、違う。悔しがらなきゃいけないのか！！！
っしゃーーー！！ やっと帰れる！！！！！！！
というわけで、杉山さんの勝利です！ 遊んでみてどうでしたか？
早く家に帰りたいです！
なるほど。家に帰って2回戦目をやりたいってことですね。
勝手な解釈をするな！
惜しくも負けてしまった宇内さん、どうでしたか？ 悔しいですか？
帰れるからうれしいし、このゲームはカス。
遠くから見ると、カラフルな産毛が生えたチャーシューみたいで気持ち悪い。
内側にはアートな世界が広がっていました。
敗者には「刺した剣を全部抜く」という罰ゲームを用意していたのですが、2人で協力して片付けていました。巨大黒ひげ危機一発を通じて仲が深まったんだと思います。
でも、帰り道は全員無言だったので、やっぱり本家の穴24個くらいがベストですね。
ちなみに、飛び出した海賊が下に落ちないこともあります。
（おわり）