近頃メディアでもたびたび報じられている、長時間残業の問題。定時退社を推奨する「ノー残業デー」を作るなど、残業時間を減らす取り組みをしている企業も少なくない。
現在Twitter上では、残業に関するあるイラストが話題となっている。
「仕事を増やすよ、社員は減るよ、でも残業は今までより減らしてね」が成り立つなら、〝仕事〟は圧縮性流体である。また、社員の「やる気」を熱量と定義すれば、圧縮時に逃げていくだろうことが分かる。 https://t.co/kMu8qtwmu7
— AXION (@AXION_CAVOK) 2017年2月5日
投稿者のAXIONさん(@AXION_CAVOK)によれば、「仕事が増えても社員は減る。しかし、残業時間は今までより削減する」という考え方が成り立つ場合を、流体力学の「圧縮性流体」にたとえている。「圧縮性流体」とは、圧力に応じて密度が変化する流体のことだ。
上記のイラストでは、水量を“仕事の量”、面積を“社員数”、水面の高さを“労働時間”に置き換えて説明している。仕事の量(水量)が増えたにもかかわらず、社員数(底面積)は減るなかで、労働時間(水面の高さ)も減らすには、圧縮せねばならない。その結果、圧力がかかって放出されるのが熱エネルギーだ。投稿者は、この熱を“社員のやる気”にたとえている。
@AXION_CAVOK ちなみに容器の強度は会社の強度でもある。……どこまで保つかな?
— AXION (@AXION_CAVOK) 2017年2月5日
さらに、容器の強度は“会社の強度”とも。確かに、圧縮し続けたら熱が逃げ続けるだけでなく、容器にも大きな負担がかかる。最終的には容器が壊れてしまうかもしれない。
弊社これだよ!!>前RT
— えみりあ (@emirianyan) 2017年2月6日
給料等の待遇が断熱材?
熱って非状態量だから、圧力のかけ方で放出される熱量も変わってしまうって考えるとなかなか現実に則してておもしろい例えだね。
一気に圧力かけちゃダメなんだ。 https://t.co/p7dvqSJjAs
— 唐揚げレモン (@kraglmn) 2017年2月7日
何がひどいってこの後圧力を取り去っても、加熱してやらんと”やる気は元の量には戻らないというところかな・・・ https://t.co/YIBJau0wmf
— ヤス@私が犯人です (@YaN562) 2017年2月5日
このたとえに対し、Twitterユーザーからは「うちの会社がこれだ!」「なかなか現実に則していておもしろい」といった共感や納得の声のほか、「この後圧力を取り去っても、加熱しないとやる気は元には戻らない」といった意見が寄せられている。
面白いアナロジーだけど圧縮すると熱が逃げるというか、圧力をかけてる限り結果的に熱が生じる故に熱量をやる気と定義したら高い圧力をかければかけるほどやる気が上昇することになっちゃうから生じる熱は別の表現にした方が良かったと思う… https://t.co/JcUxDcBy7R
— 何処かの馬の骨 (@namelessnanashi) 2017年2月6日
@AXION_CAVOK 本質的な議論ではないですが、断熱容器にすれば圧縮しても社員のやる気が上がる一方なので、「熱量」は「ストレス」と解する方がより自然に感じます。ストレスは組織を崩壊させるエネルギーであるというような解釈です。(そうすると出て行く熱量の解釈が難しくなりますが)
— Shimpei Otsubo (@potsbo) 2017年2月5日
一方、このたとえに物理の面から指摘も。「圧縮時の熱量をやる気と定義すると、圧縮すればするほど社員のやる気が上がることになる」「断熱容器ならば熱(やる気)が逃げないことになってしまうので、熱は“ストレス”にたとえるほうが自然」といった意見が挙がっている。
もちろん、仕事の効率化といった“圧縮”は大切だろう。しかし、このイラストが表すように、適正な仕事量と人材の確保も行わなければ、残業時間の削減によってどこかにシワ寄せが来てしまうかもしれない…。