戦艦ジオラマなのに波打っている!?リアルな海を表現した製作者にこだわりを聞いた

ジオラマなの?アルミホイルなの?本物なの?
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ジオラマ

海の上を戦艦が波しぶきを上げながら前進するーーもちろんこれはジオラマだが、さらにTwitterに投稿された動画を見て欲しい。なんと船が浮かんでいる海面が波を打って動いている。まるで本物の海に戦艦が航行している様子を見ているかのようだ。

このジオラマを製作し、動画をTwitterに投稿したのはアルキメデス(@n26edd3Pt24U3Hk)さん。動画は440万回以上再生され、17万以上のイイネがついている。

動画を見たTwitterユーザーからは「映画に使えそう」「ホンモノと思ったら、ジオラマ。 ジオラマとわかり、大きな作品と思ったら手の平サイズ。 私の創造力では、追いつきません。」といった驚きの声があがっている。

アルキメデスさんは日頃、1/700の海ジオラマを製作しているモデラー。「海面」の部分に使われているのはアルミホイルで、塗装したあとアプリで加工することで、波が動いているように見せられるという仕組みだ。今回、アルキメデスさんにジオラマの作成に至った経緯などを伺った。

ヒントは海外のモデラーさんから

今回、動く海面を作った理由を教えてください。

YouTubeで海外モデラーさんが、ジオラマの作り方を紹介している動画を見たのがきっかけです。その中に自分の求めている海があったので、見よう見まねで作るようになりました。

海を作るにあたって、海外と日本では販売されているものが違うので、まずはホームセンター等に通って素材を探すことから始めました。

国内メーカーさんが出すモデリングガイドなどに、アルミホイルで海を作る方法は掲載されていたのですが、個人的になかなか気に入るシーンが作れなかったんです。

流行ってると思ったら

リアルに動く海面をアプリ加工した経緯を教えて下さい。

あるSNSの模型コミュニティで、海外モデラーさんたちが動くジオラマ動画を投稿しているのを見て、海外ではこれが流行ってるんだ、流行りを取り入れたいと思ったのですが、当時使っていたスマホはアプリが未対応だったので動くジオラマ動画を作ることが出来ませんでした。

アプリが対応するまでの間は、海面をリアルに作ることを優先して制作を続けていました。

ジオラマ
静止画像でも波が動いているように見える

その後、アプリが使えるようになり、今回の動画を作ってSNSに投稿すると、海外モデラーさんにとてもウケたという。アルキメデスさんは海外モデラーの方に「これ(海が動いているように見える加工)、流行ってますよね!」と聞いたところ「僕たちでも、ごく一部の人しかやってないよ」と返ってきたそう。「流行っている」のは勘違いだったものの、まだ少数の人しか取り組んでいないテクニックだったようだ。

アルミホイルが「大海原」になるまで

ジオラマ

アルミホイルの塗装には何を使用しましたか?

塗装する前に、アルミホイルの光沢を消す作業から始めます。僕の場合はサーフェイサー(下地専用の塗料)を塗り、青系の塗料とクリアをエアブラシで塗装しています。

ジオラマ
ジオラマは完成まで約6時間くらいかかったそう

いちばん大変だったところ、こだわったところを教えて下さい。

こだわったのは 海面の濃淡表現や波の塗装です。 今までは、濃淡を気にする塗装をあまりしたことがなかったので調整に苦労しました。

海面が動くジオラマは今回が第1号で、手元に残っていない分を含めると60作品ほどを制作してきたというアルキメデスさん。今後の作品もチェックしたい方はフォローしてみては。

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