提供量は100kg超!お寺のお供え物をフードバンクへ送りつづける理由を住職に聞いた

「もったいない」から「ありがとう」に
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フードバンク

箱いっぱいのお菓子や缶詰、乾麺などの食料品。これらはお盆の時期にお寺の納骨堂にお供えされたもので、食品を必要とする施設や世帯などに無償で提供する、フードバンク活動の団体に送られることになっている。

このツイートを投稿したのは、北九州市にある浄土真宗本願寺派 永明寺の住職、松崎智海(@matsuzakichikai)さん。こちらのお寺では6年前からお供え物をフードバンクに提供する取り組みを行っており、今回はじめて提供する量が100kgを越えたという。

投稿を見たTwitterユーザーからは「ご先祖さまも優しく見守ってくれていそう」「全てのお寺にこの活動が広がってほしい」といった声が集まっている。

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大量のお供え物を仕分けしている様子

お寺ではあらかじめ、フードバンクに提供している旨を伝えている。そのため、お供え物としてはあまり見ないカップ麺やパスタ、缶詰といった、提供先のことを考えたものになっているのだ。

フードバンクに提供するようになった経緯を、住職の松崎智海さんに聞いてみた。

今年で6年目の取り組み

これまでフードバンクに提供してきたお供え物の量は。

フードバンクへの提供は平成28年(2016年)から、年3回ずつ(春彼岸・盆・秋彼岸)行ってきました。

すべての合計は分かりませんが、100㎏を超えたのは今回が初めてでした。

フードバンクの方からの反響はいかがでしょうか。

フードバンクの皆さんからは、子どもたちがお菓子を楽しみにしているので助かると言っていただいています。

納骨堂加入の皆さんの反応はいかがですか。

最初は反発されるかと心配しておりましたが、とても良い取り組みだと喜んでいただいています。

もちろん興味の無い方もおられますが、多くの方が積極的に関わってくださっています。

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仕分け作業は門徒(もんと)の皆さんが行う(※浄土真宗では檀家さんのことを門徒さんと呼ぶ)

提供を始めたきっかけを教えてください。

フードバンクへの提供を始めたきっかけは、納骨堂に残されて大量に廃棄される食品に心が痛んだからです。

この取り組みを始めてから、納骨堂に食べ物を残して行かれる方が大幅に減りました。

お供え物は仏様への敬(うやま)いのあらわれですから、その場に残さず持ち帰ってご自身でいただくのが一番だと思います。

それでも食べきれないものや、提供したいというものをフードバンクに寄付していただいています。仕分けも門徒(檀家)さんにしていただいています。

おかげさまで「もったいない」から「ありがとう」に変えることができました。

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お寺にとっては、食べものを廃棄しないで済む。フードバンクにとっては、たくさんの食料品を受け取り、必要とする人のところへ届けられる。双方にとって「ありがたい」取り組みは今後も続いていくことだろう。

住職の松崎(@matsuzakichikai)さんは、Twitterで仏教やお寺、お坊さんの日常を楽しくツイートしているので、興味のある方はチェックしてみては。

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