10年前の「松屋の発券機」を覚えてる?大量のボタンが並ぶ姿にノスタルジーが止まらない

ほんの10年前でも意外と記憶に残っていないもの
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「そんなものを撮ってなんになる?」と言われるだろう。

あるTwitterユーザーが、こんな書き出しのツイートとともに、「松屋」の自動発券機の写真を投稿した。

写真を見て「あれ、松屋の自動発券機ってこんなんだっけ?」と思った人も多いことだろう。

実はこちらは、約10年前に撮影された写真。現在松屋の発券機はタッチパネル式画面でメニューを選ぶシステムに代わっている。新式に慣れると、ほんの10年前の発券機の姿すら記憶の彼方に行ってしまうものだ。

実際にこちらのツイートを見た人からは、発券機の姿を思い出して懐かしむ声や、新旧の使い勝手の違いに言及するコメントが相次いだ。

投稿者のかんちゃん(@kanbowsan)さんは、松屋の発券機をはじめ「なんでそんなものを?」と思ってしまう素朴な日常の光景を撮影しては発信し、後世に残す取り組みをしている。

松屋の発券機に注目した理由や、撮影記録活動について伺ってみた。

潰れた大型スーパーを知らない子どもたち

なぜ10年前、松屋の発券機を撮影されたのですか?

ブログの記事に取り上げようと思って撮影しました。ブログは現在も毎日更新しています。

かんちゃんさんは、やたらボタンの多い旧式の発券機で、意図したメニューと違うものを間違って選んでしまうことも多かったという。

今はタッチパネル式に改良されましたが、10年前と比較していかがですか?

Twitterでは賛否両論でしたが、私はタッチパネルの方が選びやすいです。分かりやすいので。

記録する対象の選定基準や「記録して良かった」と思うものを教えてください

基準は、「日常(的な存在)かどうか」ですね。「これを記録したら将来何かになる!」といったことは考えていませんが、地元のお店が閉店する時などは記録したいと思っています。

記録して良かったと思うのは「今ではもう2度と見ることができないもの」ですかね。たとえばかつてあった大型スーパーなどです。

近年ですと近所の「イトーヨーカドー」が潰れましたが、無くなる前の写真を記録していました。(跡地にはまだ行っていませんが37階建てタワーマンションが建ちました)

今の小学生ぐらいの子どもさんたちはかつてそこに「イトーヨーカドー」があったことさえ知らないはずです。

在りし日の「イトーヨーカドー」。18年間と短めの営業で老朽化も感じられない
2017年2月28日・営業最終日の夜、閉店セレモニーでライトアップされた姿

「松屋」の発券機をはじめ、かつては当たり前に存在し、いつのまにか姿を消してしまう日常の風景。かんちゃんさんは、慣れ親しみすぎてかえって「あえて記録する」という発想に至りにくい対象に注目して、日々写真に残しているのだ。

かんちゃんさんの活動が気になった方は、ブログ「万華鏡」を覗いてみては。

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