こいのぼりをリメイクした洋服がインパクト大!一点モノの布で作る洋服作家さんに話を聞いた

おめでたいこいのぼりが、華やかな洋服に!
3

こどもの日に飾られる「こいのぼり」の布地をリメイクした洋服の画像がTwitterに投稿され話題となった。

鯉のぼり
ワンピースに生まれ変わったこいのぼり

投稿者のkakako(@sabumekko)さんは、こいのぼりの生地で作ったワンピースの画像と共に、こいのぼりの素材を募る内容のツイートを投稿。

Twitterユーザーからは「カワイイですね!」「斬新なアイデアがかっこいいです!!」など、完成した洋服の出来栄えと発想に感心する声があがった。

古布を再利用して洋服、バッグ、小物などを制作しているリメイクブランドsabumekko(サブメッコ)を運営するkakakoさんに、こいのぼりを洋服にした経緯などを詳しく聞いた。

初めての個展のメインとして制作

こいのぼりで洋服を作ったきっかけは?

こいのぼりで洋服を作る以前に、「大漁旗」で洋服や雑貨を作り始めたきっかけからお話しします。

2011年の秋、自分が着てみたい洋服が売っていないしあってもとても高価で買えない…と感じていて、ずっと壊れたままだったミシンを買い替え自分で洋服を作ることにしました。

それから手芸屋さんに布地を見に行ったのですが、面白みが感じられなかったので神社の骨董市に初めて行ってみることにしました。当初は着物を素材にしようと考えましたが、それよりも大漁旗のカラフルで巨大な木綿の布に惹きつけられました。それが大漁旗との初めての出逢いでした。

あまりに美しく貴重なものなのではさみを入れようと思えず、1か月ほど廊下に掲げてうっとり眺めては「どうしてあげることがこの旗にとって幸せだろう?」とずっと考えていました。

だんだん「私ひとりが鑑賞しているよりも、形を変え新しい役割を与えられ、誰かの日々の暮らしの役に立てた方が良いのでは」と思うようになり、その旗から大小複数のトートバッグとタブリエ(巻きスカート状のエプロン)を作ったのが最初の大漁旗リメイク作品でした。

鯉のぼり
大漁旗リメイクの数々

それからグループ展への参加や委託販売のご依頼などを経験し、新たな制作に挑戦していましたが、2017年の秋に東京で初個展を開催することになり「何か目玉になるものはないかな」と素材探しをしていました。

その時に大漁旗に混じってこいのぼり(黒のまごい)と、味わい深く色あせた相撲のぼりを見つけて「これだ」と思いました。

鯉のぼり
こいのぼりリメイク服の第1号作品
鯉のぼり服
相撲のぼり旗のワンピース

制作のこだわりを教えてください。

もともとの生地の世界観を大事にしたいので、目立つ汚れや大きな破れの部分を避けながら面積を最大限利用して作れる洋服はどんな形か、そこから考え始めています。

どの部分を切り出し組み上げると一番魅力的になるか考えながら裁断する直前が一番の勝負どころで、緊張もしますし一番楽しい作業だとも言えます。

基本的には、布一点から洋服一着という感じで作ります。

鯉のぼり服
それぞれの模様を最大限生かせるデザインを考え制作

こいのぼりのお洋服は一般販売されていますか?

完成直後にツイートした時から多くの方にご反応をいただき、現在は無期限でお待ちいただいています。

それがとても申し訳なくて「こいのぼりの入手機会が少しでも増えたら…」という心からの叫びが今回のツイートになりました。

実際にこいのぼりのお洋服を着てみた方の反応は?

こいのぼりや大漁旗は人から人へハレの日を祝う心のこもった縁起ものなので、見ているだけで沸き立つような、晴れやかで楽しい気持ちになります。

とても舞台映えするのでアーティストの方々のお衣装に選んでいただくことも多いのですが、日常で自分の気分を上げたい時にも着て欲しいなと思っています。

鯉のぼり服
お客さんと一緒に考え作り上げることも

展示会でご試着を勧めた時、だいたいのお客様は「私にはとても…」とおっしゃいます。しかし、一度袖を通すと想像よりも似合ってしまうので、どんどん試着してくださり、最終的に一番インパクトの強いものを選ばれます(笑)。そして皆さん、とても表情が明るくなるんです。

着てお出かけすると、通りすがりの知らない方々からも「すてきですね!」とよく声をかけられるそうです。個性的な洋服は、社会をHappyにする力があると思います。

リメイクされてからも、こいのぼりに込められた気持ちは洋服や着るひとに引き継がれていくのだろう。

kakako(@sabumekko)さんのアカウントでは引き続き使われなくなったこいのぼりを募集している。集められたこいのぼりの行く末が気になった方は、リメイクブランドsabumekkoをフォローしてみては。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。