「最強にかっこいい社長のアー写」を撮るため社長を爆破してきた
ある日のこと。
社長※から「宣材写真撮り直したいんだよね〜」と言われた。
※この記事が載っている「トゥギャッチ」や「Togetter」などを運営している、トゥギャッター株式会社の社長
なんでも、今使っている写真は8年ほど前の写真をなんとなく使っているだけで、専用に撮ったものでもないし、昔の写真すぎて違和感が出てきたのだとか。
どうせなら、ジョブズみたいな超かっこいい写真を撮って、バリバリ成功してるIT企業っぽい社長に見せかけたい。剛力…芽とか石原さ…みとかと付き合ってる社長みたいにしたい。そう思った我々は、最強にかっこいい社長のアー写を撮る旅に出ることにした。
社長の写真ってどんな感じなんだろう
「社長 写真」という小学生みたいな検索ワードでググると、それっぽい写真が山ほど出てきた。画面が一気にエグゼクティブに支配され、見てるだけで年収が上がりそうな気持ちになってくる。
見ていくと、いわゆる「社長」の写真には共通点があることがわかった。まずロケーション。
①こざっぱりとしたオフィス内部の空間 ②高層ビル群を見下ろす窓際
たいていの写真はこのどちらかである。またポーズも、
①棒立ち ②腕組み ③ろくろを回すポーズ
この三択に絞られる。服はもちろんスーツだ。
このロケーション・ポーズ・服装さえ抑えれば、誰でも社長っぽい写真を撮ることができるのではないか。
まずは社長の見た目をそれっぽくする
社長っぽい写真の基準がわかったのはいいが、うちの社長は普段こんな感じである。
エグゼクティブ感とはかけ離れており、知らない人が見た目で社長だと判断することは難しいだろう。なるべくそれっぽくするために、見た目から社長に近づけていく必要がある。
社長っぽい見た目に近づける作戦① オーダースーツを作る
まずは社長っぽいオーダースーツを作ることに。今回スーツを購入したのはオーダースーツメーカーの「DIFFERENCE」さん。
こちらのお店では採寸はもちろん、ボタンの種類、生地の色、ステッチをつけるかどうか、腰の絞り具合、裏地を肘から下と上で変えるかどうか…などなどもはや全てと言ってもいいほどの要素を選ぶことができる。しかも完成までたったの2週間というスピード感!めちゃくちゃ悩みながら選び、完成したスーツがこちら。
社長っぽさ出てきた!!!!!!!!!!!!!!!
社長っぽい見た目に近づける作戦② IT社長っぽいヘアメイクにしてもらう
社長といえば、やはり髪型もキチンと整えられているか、もしくは毛が生えていないか、どちらかのイメージしかない。
「毎朝起きた時の髪型そのままで出社している」といううちの社長も髪型でそれっぽくなるかもしれない。というわけでヘアメイクさんをお呼び立てした。
あとついでに、写真を撮るので多少メイクもしてもらった。
かなりそれっぽい。
うさんくさいが、小金は持っていそうな感じになってきた。
社長っぽい見た目に近づける作戦③ それっぽい場所で撮影する
最初に調べたとおり、社長の写真といえば「きれいなオフィスで、高層ビル群をバックにしたもの」が定番だ。というわけで、それにバッチリマッチするロケーションを用意した。
ヤフーが運営するコワーキングスペース「LODGE」。超おしゃれな空間をなんと無料で使用できる。今回我々の「LODGEで社長の宣材写真を撮りたいんですが…」という意味不明な要望も快く了解してくれた。
人の会社のオフィスを使ってあたかも上場企業の社長かのように見せかけるというプライドもなにもない作戦によって撮影された写真が、こちら……
これはもう完全に社長。
完全に社長なんだけど…
最強にかっこいい社長のアー写ではないな…
どうすればかっこよくなるのか
社長の忠実なパロディ写真を撮ることには成功したが、それは今回の企画の本質ではない。目的は「最強にかっこいい社長のアー写」を撮ることなのだ。かっこよさとはなんだろうか。
そう。爆発だ。
というわけで爆破できる場所に来た
特撮で、決めポーズをしたときに背景がドカーン!と爆発してる様子をみたことはないだろうか。
あれらの撮影はだいたい決まったロケ地で行われており、同じ場所で爆破撮影をするコスプレイベントも行われている。特撮ファンの間では有名な話だ。
今回訪れたのは埼玉の山奥にある採石場。実はこの日かなりツイておらず、高速道路が何十kmも渋滞していたり、当て逃げ事故に遭うなど相当紆余曲折があった関係で、東京から現地に到着するまで3時間半くらいかかった。着いた時点でぐったりである。
集合場所から採石場までは、送迎車で向かう。これがいかにもと言った感じの無骨なハイエースで、舗装されていないガタガタの山道をドナドナのように運ばれていく我々。
しばらくドナドナされて着いたのがこちら。
うわあああみたことあるぅうう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
テレビや映画で何度も観たことのある風景に大興奮する我々。写真には写っていないが、コスプレイベントのため他にも50人ほどのお客さんがいた。
なお、今回の撮影にあたり、「素人に爆発は撮れないだろう」と思い、プロカメラマンの方に依頼させていただいた。今回撮影するロケ地での爆破撮影を過去にも経験したことのある、ガチの方だ。
今回撮影に協力していただいたカメラマンの もりしたつよし さん。めちゃくちゃいい人だった上に爆破慣れしていて超いい写真を撮ってくれた。
いよいよ爆破!
コスプレイベントは朝から夕方までやっているが、爆破できるのはそのうちの1時間だけ。参加グループ全員分をまとめて行うため、好きなときにやってもらうわけにはいかないのだ。
緊張する我々の前に、銀髪にティアドロップサングラスをかけ、煙草を咥えた雰囲気バツグンのおじさんが現れる。
「今日の爆破監督はHiGH&LOWでも爆破監督を務めた〇〇さんです!!!!!!!拍手!!!!!!!!!」
マジかよ。ヤバイ。なんかアツい。
特撮の聖地でハイローの監督に爆破してもらえるなんていう、この世のかっこよさの煮こごりのようなことがあってもいいのだろうか。まさかうちの社長がEXILE AKIRAと並ぶ日が来るなどとは思ってもみなかった。(※並んでません)
ここからは猛スピードで進んでいく。なんせ何十人も参加者がいて、爆破時間は1時間しかないのだ。回数は希望人数によって変わるらしいが、この日は5回と決まった。限られた撮影、一度も失敗はできない。
爆破されたい人は、爆破ポイントの周りに「だいたいここら辺かな…?」という感じで半円形に並ぶ。立ち位置を示す線などない。ここは電車のホームではなく、戦場なのだ。
お気づきかもしれないが、途中から社長の撮影とか割とどうでもよくなってきて、「爆破、されたい!」という感情に脳が支配されてしまった。
というわけで、プロカメラマンに撮影してもらっている社長を放置して、勝手に自分のアー写を撮り始める我々。
位置についたら爆破まであっという間だ。リハーサルがあり、すぐに本番開始。
3…
2…
1…
わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!!
かなり近い場所で爆発が起こっているので、背中がめちゃくちゃ熱い。熱風と共に小石も飛んでくる。超楽しい…
想像以上の勢いに、他の参加者からも歓声が。
あっという間に5回の撮影が終了。
さっそく出来を見ていただこう。
まず、先ほど撮影した普通の宣材写真がこんな感じ。
これを爆破させると…
ろくろが爆発してるうううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!
この普通に腕組んでるだけの社長写真も
爆破させると…
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおかっこいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!
合成に見えるほど完璧な構図だが、正真正銘本物の爆発だ。
何に使うのかは分からないが、調子に乗って複数人での写真も撮ってしまった。
悪の天才ハッカー集団みたい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ちなみにこの撮影を準備している時、他のグループの方から「サカナクション(のコスプレ)ですか?」と聞かれた。すごい。なんで分かったんだ。サカナクション、実は意識してました。(全く寄せられてないけど)
かっこよくしたかったら爆破、すればいい
かくして、我々は「最強にかっこいい社長のアー写を撮る」ことに成功した。あと「なんかかっこよくしたいんだけどなぁ〜」って時はだいたい背景を爆破すればなんとかなる、という知見を得ることもできた。
みなさんも人生の節目節目に爆破、してみてはいかがだろうか。