かつて新聞社への投書でおこづかいを稼いだJK、なんだかんだで夢の進路をつかみ取る

そんなシステム知らなかった
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金欠に陥った高校時代、新聞の読者投稿欄に意見を投書し収入を得ていたという女子大生の告白がTwitterで話題だ。

各新聞社によるが、投書が採用されると謝礼として図書カードや金券が贈られることがあるのだ。

アルバイトが禁止されている高校に通っていたという投稿者の剥製(@0n0harider_____)さんは、当時「新聞社に投書しまくって、その謝礼で生き抜く」という方法を実践していたという。

当時の全財産を記録したスマホのスクリーンショット、433円

この投稿を見たTwitterユーザーは「これはペパ活!」「知性に溢れてるペパ活好き」と、"ペパ活"という新語を生み出し、剥製さんの行動力に「これが…生き抜く力…?」「能力とバイタリティの両方が備わってる人でないとできない処世術だ…すごい」と、感嘆の声を寄せた。

どんな経緯で投書で稼ぐ方法に至ったのか? 剥製さんに話を聞いた。

小6で投書を知り、知ったその日の投書でQUOカードをもらう 

新聞社への投書で謝礼がもらえることをどういう経緯で知りましたか?

小学校6年生の時に国語の授業で、「投書を読み比べてみよう」という単元を学んだのをきっかけに、投書の存在を知りました。興味を持ったらすぐ行動するタイプだったので、その日のうちに投書を始めました。

当時、富士山が世界文化遺産に登録されたことが話題だったので、「世界遺産を増やしすぎ」というタイトルで文章を書き応募してみました。それが採用されQUOカードが送られてきたことで、初めて謝礼を頂けることを知りました。

その後さまざまな新聞社に応募し、図書カードや金券を頂戴していました。

投書に関して印象に残っていることを教えてください。

苦労したのは、長文の投書を書くことですね。 400字前後での募集が多いのですが、字数が多いほどもらえる謝礼も多くなります。高校時代に金欠を極めていたときには、800字の規定の募集を選んで投書していました。

高校生になると、小中学生の時と比べて「若者の意見」として扱われにくくなり、採用されることも少なくなってしまったので、以前よりも推敲に推敲を重ねて応募していました。 そのなかでも「制服廃止反対」についての投書はよく書けたなあと覚えています。

採用されるためにしていた工夫を教えてください。

小中学生のころは、10代前半で投書すること自体が珍しがられたので、「少し大人っぽい文体を使えば採用されやすいなあ」とぼんやり考えていたような気がします。

高校生になると、どうしても構成や分かりやすさ、簡潔さが求められるようになります。なのであいまいな意見でなく立場を明確にした投書のほうが、新聞社ウケが良かった気がします。

あとは、Twitterなどで話題になっていることを書くと「話題性」という点で採用されやすかったです。

図書カードでの最高月収、使い道を教えてください。

最高でも10,000円弱だったような気がします。ほとんどの場合が1通につき1,000円分の謝礼だったので、それをコツコツ貯めていました。

図書カードで決済できるお店がいろいろあって、高校生の時は「アニメイト」で趣味のアニメグッズ、「ヴィレッジヴァンガード」で友達の誕生日プレゼントを買っていました。

現在も新聞社への投書は続けていますか?

もう投書は行っていません。

今は、中学校時代から受講するのが夢だった小説家の重松清先生のゼミで、小説・ノンフィクションの創作を学んでいます。 このゼミを受けるために今通っている大学を受験しました。合格し無事ゼミに入れたのも、小学校・中学校から投書で執筆に励んだことが役立ったのかなあと思っています。

謝礼をもらえることを知らずに始めた小学生時代から、金欠で困った高校時代まで地道に続けていた投書活動。「謝礼が欲しい!」というよこしまな思いもあったが、結果的に現在の夢を叶える糧となっていた。

剥製さんの、「興味を持ったらすぐ行動する」スタイルを取り入れれば、知らず知らずのうちになにかしら実を結ぶのかもしれない。

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