震災で被害を受けた歴史資料を「処分しないでください」と大学教授がお願い「泥に浸かっても復旧できる」

災害で貴重な歴史資料が失われることを防ごうという取り組みがあります
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令和6年能登半島地震に際し、現在も復旧が続いている被災地の人に向けた「歴史資料の扱い」に関する投稿が、X(Twitter)で注目を集めている。

困っていたら連絡を

投稿者は新潟大学教授の原直史(@HARA_Naofumi)さん。「歴史資料を処分しないで下さい」という大きく見出しを載せた書類の画像を投稿しており、歴史資料が泥水に浸かるなどして被災してしまった場合でも「捨てないで」と呼びかけている。

歴史資料とは、地域で保管されている古文書(和紙に墨で書かれた書き付けや帳簿)、古い道具や写真、自治会や地域の共有帳簿などのこと。水害などの災害が起こるたび、家や集落で保管されてきた貴重な歴史資料が失われてしまうケースがこれまでに多々あった。

こうした問題に対し、原さんは2004年に起きた新潟県中越地震の際に「新潟歴史資料救済ネットワーク」というボランティア組織を結成。歴史資料の保全活動を行ってきた。

原さんは投稿の中で、「(被災した)歴史資料を見つけましたら、廃棄せずに最寄りの市町村役場文化財担当部局、博物館、または当会までご相談ください」とお願い。さらに「泥水に浸かったあとでも復旧することができます」と、被災した内容によってクリーニングを行うことができると伝えている。

X上では、多くのユーザーがこうした資料保全のボランティア活動を広く伝えようと拡散に協力。また、「今の技術はすごいですね」と近年の修復技術に感心するコメントも寄せられた。

原さんの投稿では、「当会がすぐには対応できることは難しいかもしれませんが、史料ネットの全国組織などに繋ぎます」と書かれている。今回の震災に限らず、損傷した歴史資料は廃棄前に原さんの投稿を思い出し、関係各所に連絡をしたいところだ。

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